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私は高専生時代、進学塾で数学の講師のアルバイトをしていたことがあります。中学生が相手でした。彼らが苦手だったのが、応用問題でした。公式はバッチリ暗記しているのに、応用問題となると解けなくなるのです。 初めのうちは、その原因が分かりませんでした。しかし、彼らを指導してうちに原因が分かりました。読解力がないからでした。問題の文章が何を言っているのか理解できないのです。 それが分かれば、あとは簡単です。問題の「読み方」を丁寧に教えてあげると、みるみるうちに解けるようになりました。問題が何を言っているか理解できれば、どの公式を使えば良いか分かります。もともと公式は暗記していますから、応用問題を解けるようになるのです。 「読み、書き、そろばん」とは、よく言ったものです。まずは「読み、書き」(国語)ができなければ、「そろばん」(数学)はできないわけです。 社会人になってから気づいたことですが、この原則は社会生活でも変わらず貫かれていました。 社会生活における公式は、次の7つくらいでしょう。 1)挨拶をする 2)同意する 3)拒否する 4)お礼を言う 5)褒める 6)叱る 7)謝る この公式は、子供の頃に教えられたもので、誰もが暗記しているはずです。しかし、この公式をうまく使いこなせない人が多いのです。その結果、トラブルが起き、最悪の場合は犯罪に発展してしまいます。 まさに、数学の応用問題と同じです。公式は知っているけれども、問題が読み解けないのです。今はやりの言葉で言えば、「空気が読めない」ということです。 私は上の7つの公式を、「心の表現責任」と名付けています。自分が思ったこと、感じたことを、相手が理解しやすいように表現する責任があるのです。 表現しない限り、相手には何も伝わりません。しかし、ただ思ったことを表現するだけでは、責任を果たしたと言えません。空気を読んで表現してこそ、表現責任は果たされるのです。 |
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