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help リーダーに追加 RSS ツバル水没危機の真相

<<   作成日時 : 2008/03/01 18:31   >>

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2月23日の日記で、「海面が上昇して沈みかけている島がある」ということについて、「それは地球温暖化の影響ではない」と記しました。その島とは、南太平洋にあるツバルという国です。テレビでは、家の中まで水浸しになっているツバルの映像が、繰り返し繰り返し、放送されています。地球温暖化の恐怖を煽る話をさんざん聞いた上であのような映像を見れば、科学的知識に乏しい人々は「温暖化で海面が上昇している」と感じてしまうでしょう。

そのような誤解をとくために、まず基礎知識を知ってください。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という国際機関では、地球温暖化のシナリオをいくつか提示しています。そのシナリオの中で最も悲観的な「A1FIシナリオ」では、100年後の地球平均気温が最大で6.4℃上昇、海面は最大59cm上昇すると予測されています。

平均気温が6.4℃上昇しても、23日に書いたように7000年前の白亜紀と似たようなものです。灼熱地獄ではありません。体の大きな恐竜たちが暮らしていけるくらい食物が豊富だったわけですから、かえって私たち生物にとってはありがたいのです。世界中の飢餓がなくなるかもしれません。

では、海面の59cm上昇とは、驚くべきことでしょうか。まったく驚くことではありません。気象庁のホームページにいけば、さまざまな場所の潮位データが公開されているので、ぜひ見てください。

例えば、下のグラフは今年1月の那覇における潮位の変化です。干潮と満潮の水位差は、220cmです。地球では毎日のように、これだけの潮位変化が生じているのです。59cmなんて、全然たいしたことではありません。しかも、この59cmという値は、最も悲観的なシナリオ。数々のシナリオの平均値では38.5cm、最も低い見積りではわずか18cmです。

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むろん、IPCCがいう59cm上昇とは、ベースライン(平均)のことです。上のグラフでいえば、260cmあたりに引かれた点線です。これが引き上がるということです。A1FIシナリオが的中すれば、満潮時には今より海面が59cm上昇するわけです。でも、それは今から100年後のことです。

「100年後のことだからといって安心できるか!」

そういうご意見はごもっともです。しかし、私は心配しません。59cmくらいの満潮水位上昇なら、100年もあれば堤防の改修工事で十分しのげます。実際に、100年間で260cm(59cmの4.4倍!)も海面ベースラインが上昇したのにもかかわらず、水没していない都市があります。それは日本の大都市、大阪です。下のグラフがそのデータです。これも気象庁が公表しているものです。

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海面は世界中につながっていますから、地球温暖化が原因であるならば全世界の沿岸で海面が上昇するはずです。では、なぜ大阪だけが、こんなに海面が上昇したのでしょうか? 原因は地盤沈下です。地下水を過剰に汲み上げてしまったために、地面が沈んでいったのです。

そうです。海面上昇といっても、2種類あるのです。

1)海の水が増えて、海面が上昇する。
2)海面水位は変わらず、陸地の方が沈む。

もうお分かりでしょう。ツバルの場合も、2)のパターンなのです。実際に、オーストラリアのフリンダーズ大学にある国立研究所が10年間、ツバルを含む島嶼各地に潮位観測器を設置していますが、海面上昇は起きていないと報告しています。

ツバルは環礁、つまりサンゴ礁でできています。サンゴ礁は石灰岩。石灰岩は水に溶けます。特に海水は二酸化炭素濃度が高いために、石灰岩をよく溶かします。

ツバルでは、島の中のあちこちで、海水が混じった地下水が湧き出しています。地下に海水が浸入しているのです。ということは、地下の石灰岩が海水で溶かされていることになります。島の土台そのものがスカスカになっているのです。島全体が骨粗鬆症にかかっているようなものなのです。その結果、島の重量によって地下の空洞化した部分が徐々に押し潰され、地盤沈下が起きているのです。海面が上がっているのではなく、地面が下がっているのです。

また、太平洋戦争当時、日本軍を追い出したアメリカ軍が太平洋の島々を占領し、盛んにサンゴ礁を埋め立てて飛行場にしました。戦時下での整地作業は急いで行われたため、平常時の作業に比べて極めて不十分なものでした。これも地盤沈下の一因となっています。

地球温暖化仮説のシンボルに祭り上げられているツバルを、私はたいへん気の毒に思います。ツバルの水没危機に対する真の支援は、二酸化炭素の排出量削減ではありません。先進国が保有している高度な土木技術によって、土質を改良し、整地をやり直し、地盤沈下を防ぐこと。そして、堤防の設置です。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ツバルの事でいろいろ調べていましたらこのブログにめぐり会いました。中部大学教授 武田邦彦氏の著書、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」の中のツバルに関する記述にそっくりですが、この著書を参考にされたのでしょうか?それとも,武田邦彦氏が参考にされたのでしょうか?
環境問題に関心がありますが
2008/04/29 11:32
ご訪問ありがとうございました。ご紹介の本は残念ながら読んだことがありません。今度読んでみます。

地球温暖化問題に関して私が資料として参考にしているものは、IPCCの報告書と、ビョルン・ロンボルグ氏の著書「環境危機をあおってはいけない」(2003年に邦訳版)です。ロンボルグ氏は正当な科学者なので、信頼ができるデータを用いて説明しています。お薦めです。

ロンボルグ氏の邦訳版で刺激されて、日本の科学者も「地球温暖化仮説はあやしい」と声をあげるようになったと思います。2005年から2006年くらいに、雑誌「諸君!」で何人かの科学者が論考を発表しており、それも私の参考文献になっています。

金欠病で(^^ゞ、最近の新刊はあまり購入していないのですが、上記の資料がタネとなっている場合が多いと思います。
小林浩
2008/04/30 21:11
ロンボルグ氏の著書を購入しようかと思ったら非常に高価なのですね。でも、なんとなく元ねたのような気がします。
環境問題に関しては、CO2排出の係数にしても、政府の出している係数(あまりにも電力会社に偏りすぎている。)は非常に疑問のあるものだと思っていますし、本当はどうなのかが知りたくて、これからもいろいろ調べたいと思います。誰がどこでどんなコメントを出しているかに非常に興味があり、今後もいろいろ注視したいと思います。
参考になる話をありがとうございます。今後も訪問させていただきたいと思います。
環境問題に関心がありますが
2008/05/02 16:04
>世界中の飢餓がなくなるかもしれません。

データに基づいて綿密に話されているかと思えば、とつぜんものすごい感覚的な仮説をぶっ込んできますね(笑)。
目が離せません。
心配ないんだ。
2009/06/07 13:10

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